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2011年(23年)12月30日(金)日本経済新聞

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がんでも明るく、きれいに――。抗がん剤の副作用で一時的に髪が抜けた女性にかつらを使ってもらい、闘病生活を支えようという動きが九州で活発化している。

福岡市の特定非営利活動法人(NPO法人)は高価な医療用かつらを安価でレンタル。鹿児島市の美容室は安価な美容用かつらを自然な髪形に整えるサービスを始めた。

がん経験者の女性を中心に、支援の輪が広がっている。

がん闘病 かつらで前向き ~レンタルなど手軽に~

「やっぱりこれにするわ」。先月、福岡市のNPO法人「ウィッグリング・ジャパン」が天神に構えるサロンで、県内の看護師の女性(51)がかつらを手にした。

女性はがんで4月に子宮や卵巣などを摘出し、半年に及んだ抗がん剤治療を終えたばかり。髪は半分ほど抜け落ち、普段は帽子姿で過ごす。だが、「来年春に高校生の娘の卒業式があるから、このままの髪じゃ困ると思って」。かつらを着け直し、ほほ笑んだ。

同NPOの上田あい子代表(37)によると、がん患者らが利用する医療用かつらは内側に伸縮するネットなどが付いており、髪が少なくても装着しやすい。ただ一般的に価格は10万~20万円程度。オーダーメードすると数十万円かかることもあり、負担の重さに苦しむ患者も多いという。

同NPOは昨年夏、医療用かつらをレンタルする活動を開始。入会金と年会費の合計5,500円を支払えば1年間借りられ、1回は違うかつらにも交換できる仕組みだ。

当初、用意したかつらは5個程度だったが、ラジオなどで呼び掛けると元患者らから数百個が集まり、これまでに300人以上の女性にレンタルしてきた。

経験女性ら支援の輪

上田さんと同NPOを立ち上げた満安諏美さん(66)もがん経験者。毎週月曜日と第4土曜日、闘病の悩みの相談に乗りながら、かつら選びを手伝っている。自らの経験を胸に、満安さんは「かつらよりも、自分が元気になれることにお金を使って」と呼び掛ける。

一方、多くの美容用かつらは安価だが、サイズが決まっているうえ、内側も伸縮しにくい。人毛の量も少ないため、一見すると不自然な印象になることもあるという。

そこで、鹿児島市の「ウィッグサロン ウェリナ」は今年1月、かつらの購入と同時にカットが受けられるサービスを始めた。乳がん経験者の園田順子店長(42)がかつら選びの相談に乗り、美容師がその人に合った自然な髪形に仕上げる。「安くても見間違えるようになる」(園田店長)

かつらは1万円前後が中心で、カット料金と専用シャンプー代金などを合わせても2万円程度。予約制で月に20人程度が訪れ、近隣病院へ出張サービスもしている。園田さんは「私も病気を一から説明しなくても分かってくれる美容室が欲しかった。気軽に相談に来てほしい」と話している。

がんを学ぶ機会 専門医招き毎月

乳がんなどの場合、抗がん剤治療は一般的に半年~1年程度。個人差はあるが、副作用で髪が抜けると生え揃うまでに2年ほどかかる。抗がん剤投与から約2週間で抜け始めるため、事前にかつらを用意する女性が多いという。

国立がん研究センターの統計(2005年)によると、女性が乳がんになる割合は16人に1人、子宮がんは46人に1人。早期に発見すれば少ない負担で済むため、早期受診の呼びかけや啓発活動も行われている。

ウィッグリング・ジャパンでは毎月専門医を招き、がんの勉強会を開催。

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