第84回 カフェで学ぼうシニアの健康「認知症予防の正しい知識」

多くの中高年の方が、将来の不安として抱えられている認知症や寝たきりですが、現代の医学では特効薬はありません。しかし、歳を重ねていけば、そのリスクは上がっていきます。では、どうしたら良いのでしょうか?

これまで中高年を対象とした認知機能測定を数多く行ってきた矢田教授は、現代人は仕事や家庭、対人関係など多くのストレスに晒されています。そして長期間ストレスに晒されることは、認知機能低下の大きな原因の一つであると言われます。

しかし、ストレスの原因が仕事や家庭であることを分かっていても多くの方は、転職したり出来ませんし、その関係を簡単に変えることは出来ません。こういったストレス社会において、認知症と密接な関係のある認知機能を低下させない方法は、睡眠なのです。

皆さんしっかり眠れていますか?

ここで言う、「眠り」とは睡眠時間ではなく、熟睡出来ているかということです。調査の結果、現代人は睡眠時間も短く、熟睡が出来ていないことが分かっていて、このままの状態が続けば認知症に繋がります。

長年、スキンケア、睡眠、香り、嗅覚、乳幼児、高齢者の研究をしている矢田教授は、樟脳(クスノキ)の香りが自律神経のひとつである副交感神経活動を優位にして心身を鎮静化させること、さらには大脳への作用として情動や気分を落ち着かせる効果があることを明らかにしています。そして、ストレス軽減によるリラックス効果、睡眠改善効果や高齢者のQOL改善、更年期女性の愁訴緩和、子供たちの集中力アップ、介護、看護現場での活用など、生活の中で広範な利用が考えられると言われています。

今回同時開催であった「認知症リスク測定会」は、血管年齢や脳年齢を測定することで、現在の認知機能を知り、将来の認知症リスクを知る測定会です。今のご自身の現状を知ることにより、今後取り組むべき課題が見えてきたと参加者の方々は言われ、熱心にメモを取られていました。

 日  時 :2019年8月3日(土)4日(日)13:00~14:00 
 講  師 :矢田 幸博先生(筑波大学大学院グローバル教育院 教授)
 参 加 費 :500円
 会  場 :タカラ薬局天神7階セミナールーム(福岡市中央区天神5丁目7-7)

※今後の医療セミナーの予定はこちら

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