第82回 カフェで学ぼうがんのこと「身体を守るバリア機能! 皮膚の正しいケアを学ぼう」

健康な皮膚とは

皮膚は、表皮・真皮・皮下組織の3層からなり、表皮は薄さわずか0.2mmしかありません。

しかも表皮はさらに4層に分かれ、1番外側にある角層の微妙なバランスで潤いが保たれています。皮脂はテカったり、化粧崩れの原因などと敬遠されますが、潤いを保つ大切な役割があります。

正常なバリア機能を持った皮膚は水分を逃がさず、外からの刺激を通しませんが、バリア機能が乱れると水分が逃げて肌がカサカサになり皮膚病にかかりやすくなります。その代表的なものがアトピー性皮膚炎です。

肌老化の原因の8割が「光老化」!!

30代以降になると皮膚に潤いがなくなり、肌の弾力の低下や乾燥、赤み、かゆみ、ひび割れが気になり、シミやシワが目立ち、イボが現れたりします。これは肌の老化現象によるもので、肌老化の原因の8割が紫外線による光老化です。

健やかな肌を保つには毎日の保湿ケアと紫外線対策が非常に重要です。

紫外線は日差しの強い夏だけではなく年中降り注いでいますし、曇りや雨の日でも約90%の紫外線が降り注いでいます。皮膚の老化だけではなく、生涯浴びる紫外線量により皮膚がんになる可能性も上がるので年間を通じた肌ケアが重要なのです。

保湿と日焼け止めを正しく使う

保湿剤や日焼け止めの使用量は、人差し指の第一関節分(ローションの場合は500円玉大)で手のひら2枚分の面積(顔全体or片腕だと手首から肘くらい)が適正量です。

皮膚がんは、耳や首の後ろにも発生するのでこの部分にも塗りましょう。日焼け止めが合わない人や苦手な人は、UVカット機能素材の服や色の濃い厚手の服なども有効です。また、紫外線は目からも吸収さるのでサングラスの着用も有効です。最近は紫外線以外の可視光線(ブルーライト)も皮膚の老化に関わっていると言われています。

ほくろのがん、悪性黒色腫

ほくろのがん(悪性黒色腫)の特徴は、左右非対称で6ミリ以上、形がいびつ、濃淡があるなど普通のほくろとは違い、ほくろのように黒くなくても、かゆみや赤いカサカサ、1ヶ月以上治らない傷や頭皮がジュクジュクしているものなどは皮膚がんに進行する可能性がありますので、気になる時は早めに皮膚科にご相談下さい。

皮膚がんも他のがんと同じく、早期発見・早期治療が大変重要です。

年代・性別を問わず、普段からの紫外線ケアと保湿ケア、お風呂ではゴシゴシこすらず優しく洗って健やかな肌を保ち、肌の老化と皮膚がん防止に努めたいですね。

 日  時 :2019年6月27日(木)15:30~17:00 
 講  師 :伊藤 さおり 先生(よつばの杜クリニック 院長)
 参 加 費 :1,500円(資料、ドリンク、お菓子付き)
 会  場 :筑邦銀行3階会議室(福岡市中央区高砂1-24-20ちくぎん福岡ビル)

※今後の医療セミナーの予定はこちら

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

最近の記事