第79回 カフェで学ぼうがんのこと「胃がん~注目される最新医療~」

内藤 雅康先生

講師:内藤 雅康先生(医療法人松風海 内藤病院 院長)

胃がんの原因、ピロリ菌

胃がんの原因で一番多いのはピロリ菌(ヘリコバクターピロリ菌)です。

ピロリ菌が胃の中で感染を起こし慢性炎症を繰り返すうちに遺伝子が壊れ、その遺伝子が細胞分裂を繰り返しがんになることが多いです。そのほかの原因は塩分、アルコール、喫煙によるものと言われています。

ピロリ菌に感染しているかどうかは検診で分かります。感染が確認されたら、除菌薬を1週間飲むとピロリ菌はだいたい無くなりますが除菌したからといって胃がんにならないわけではありません。毎年検診を受けて胃を検査したほうが良いです。

AIの登場と手術方法の進化

胃がんの進行は①T因子(胃の粘膜への広がり)②N因子(リンパ節への転移)③M因子(全身への転移)で表します。これら3つの因子によりステージ1~4(進行度合い)が決まり、治療方針が決まります。遠隔転移があると手術はできず、化学療法、放射線治療、免疫療法になります。

リンパ節転移もなく、ごく小さい胃がんであれば、胃カメラ内視鏡での手術が可能です。まだまだ発展途中ですが、これまで肉眼
では見つけることが難しかった初期のがんをAIが発見できるようになりました。多施設で得たデータを一ヶ所に蓄積し、そのデータを半年に一度更新、そのデータを元にがん診断との整合性をとり、これにより内視鏡治療が可能な初期の胃がんが増えてくると思われます。あくまでも転移がないがんに限りますが、早期発見が可能になり体への負担が少ない治療ができるようになってきています。

また、以前は開腹手術が多かったのですが今は腹腔鏡手術が増え患者さんへの体の負担も減っています。近年では胃がんに対するロボット手術「ダヴィンチ」も保険適応になりました。鉗子を入れる小さな穴を数ヶ所開けるだけなので開腹手術と違い数㏄と出血量が少なく傷口が小さいので、術後の回復も早いことが特徴です。

胃がんとオプジーボ

ノーベル賞で話題となった分子標的薬(オプジーボ)が2018年から胃がんに対する治療で保険適応可能となりました。

保険適応には段階があり現段階では全ての胃がんに使えるわけではありませんが、投与した3割の方には効果のみられる薬です。しかし、これまでの薬とは異なり、副作用がいつ生じるか予測がつかないため注意が必要です。そして、副作用が出たときには副作用
に対して適切な治療を受ける必要がありますので、オプジーボを使う場合は、医師や薬剤師、看護師などに副作用についてよく確認しておきましょう。

これまでの胃がん治療は、抗がん剤の効果があまり認められず開腹手術が主でしたが、早期発見が可能になり、体への負担の少ない内視鏡手術が増えてきました。また、オプジーボのような免疫治療は使用にはまだまだ色々な条件がありますが、様々な治療を併用した複合型免疫療法を行う必要があると考えられます。

参加者の感想

●胃がん治療がここ数年でとても進歩していることが分かりました。
●内視鏡もAIの時代と聞き驚きました。今まで見つかりにくかった小さながんも早期発見でき、内視鏡での手術が増えるのはとても良いことだと思いました。

 日  時 :2019年3月22日(金)15:30~17:00 
 講  師 :内藤 雅康 先生(医療法人松風海 内藤病院 院長)
 参 加 費 :1,500円(資料、ドリンク、お菓子付き)
 会  場 :久留米大学福岡サテライト(福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラオフィス6階)

※今後の医療セミナーの予定はこちら

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