認知症を見守る ~認知症になっても安心して暮らせるまちを~

2019年1月27日(日)タカラ薬局天神7階会議室にて「認知症サポーター養成講座」が開催されました。募集後すぐに定員となり、認知症への関心の高さがうかがえました。

認知症サポーター養成講座とは「認知症を理解し、認知症の人や家族を見守る“認知症サポーター”を一人でも増やし、認知症になっても安心して暮らせるまちをみんなでつくっていくことを目指す」講座です。
 
認知症サポーターキャラバンは、全国キャラバン・メイト連絡協議会が都道府県、市区町村など自治体と全国規模の企業・団体等と協催で認知症サポーター養成講座の講師(キャラバン・メイト)を養成。その講師が自治体事務局等と協働して「認知症サポーター講座」を開催しています。

今回の講師(キャラバン・メイト)は、株式会社タカラ薬局の岡村由紀子さん、藤原慎悟さんでした。

認知症の症状

脳の機能や働きが鈍くなり引き起こされたその症状は、記憶障害や時間、場所、人物が分からなくなる、物事を考えたり、判断したり、計画を立てて段取りをすることができない、その場の状況が読めず思いがけない言動をする、身の回りのことができないなどです。

声掛けの工夫

実は、認知症の方は自分で「何かがおかしい」と最初に気付き、自分ができないこと、忘れてしまうことのもどかしさと不安でいっぱいです。「通帳がない!」などといった「物とられ妄想」などでは周囲の人が疲弊してしまいますが、認知症の特性を理解し、適切な声掛けや行動をすることで、認知症の方も尊厳を持ち、周りの人も疲弊が少なく過ごすことができるでしょう。

認知症の方への声掛けの際は、甲高い声や、複数名から、急に後ろから声をかけられることは苦手です。相手の目線に合わせ、低めのトーンでゆっくり落ち着いた態度で相手に対して思いやりを持ち分かりやすく話しかけましょう。

言いたいことがなかなか出てこない方には5w2H(いつ?だれが?どこで?何を?なぜ?どんなふうに?どのくらい?)を意識して聞き出し、間違ったことを言っても、説得して正すのではなく、納得するように話を持っていく工夫が肝心です。

早期発見の重要性

認知症ではないか?と気付いたら早めに医療機関で受診することで、その後のトラブルを減らしたり、他の病気で認知症と似たような症状が進んでいることが分かることもあります。

周りの人たちにできること

認知症になったからといって全てのことができなくなるのではありません。できる事、わかる事などを見つけて生活の中で活躍できる機会を持ってもらいましょう。家族だけでなく周りの人たちも他人事として無関心でいるのではなく、自分の問題として温かい目で見守ることで認知症に対する理解を深めることが大事です。

認知症を知ることから

1時間半の講座の受講後、認知症サポーターの証である「オレンジリング」が手渡されました。認知症の割合は、現段階では65歳以上の6.6人に1人の割合で
すが6年後の2025年には5.1人に1人の割合に増加すると予想されています。

認知症サポーターは、何か特別なことを行うことはなく、認知症を正しく理解し、認知症の人や家族を温かく見守る応援者になってもらいます。友人や家族にその知識を伝える、認知症になった人や家族の気持ちを理解するよう努める、隣人あるいは商店・交通機関等、まちで働く人として、できる範囲で手助けをする、など自分のできる範囲での活動内容は人それぞれです。
 
「認知症サポーター養成講座」は、各自治体でも行われていますので、自治体のホームページなどで検索してみて下さい。

加齢による物忘れと認知症による記憶障害との違い

加齢による物忘れ
・目の前の人の名前が思い出せない
・何を食べたか思い出せない
・出来事の一部を忘れる
・約束をうっかり忘れてしまう
・物の置き場所を思い出せないことがある
・物覚えが悪くなったように感じる
・曜日や日付を間違えることがある

認知症による記憶障害
・目の前の人が誰なのか分からない
・食べたこと自体忘れている
・出来事自体を忘れる
・約束したこと自体を忘れている
・置き忘れ・紛失が頻繁になる
・数分前の記憶がない
・月や季節を間違えることがある

受講者の声

講座を終えて「認知症の特性を早く知っていたら、優しく接することができたのに」「自分の親が、高齢による物忘れなのか認知症による物忘れなのか、認知症
に対する恐怖心を持っている」といった声が聞かれました。

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