タバコを吸わないことで、約2割がんの可能性を減らせます
喫煙は肺だけではなく煙が通る舌や咽頭、食道や胃、すい臓などの臓器や血液を通して子宮や膀胱などにかかりやすいことが科学的に判明しています。
また、受働喫煙は周りの人にも悪影響を及ぼします
そして、「今更禁煙しても無駄」だと思っていませんか?禁煙後1~2か月から慢性気管支炎(咳、痰、喘息)の症状、1年を過ぎる頃から肺機能、20年すると口腔がんのリスクがタバコを吸わない人と同じレベルにまで改善されます。
がんの約2割は感染が原因
胃がんの原因の9割以上はピロリ菌が原因であると言われています。ピロリ菌に感染していても除菌薬を飲めば大丈夫ですが、完全になくなるわけではないので定期的な検査は必要です。
子宮頸がんはヒトパピローマウイルスが主な原因です。血液や体液で感染し、性的接触があれば性感染症の予防をしても完全に防ぐことは難しく、ワクチンによる予防が大変有効です。
しかし日本では、副反応がみられた例があり積極的な接種は現在勧められていません。ただ、副反応の痛みや痺れは他のワクチンでも起こり得る副反応であり、小児科・産婦人科学会は11~14歳女子への優先的な接種を強く推奨しています。
また、ワクチンは若年層だけが接種すると思われていますが、感染していなければ、15~45歳の方にも推奨しています。ただし接種したからと言って100%安心ではないので、20歳になったら検診をお勧めします。
がん家系と遺伝性がん
早期発見、早期治療が大事です。
また、俗に「がん家系」と言われるのは、「家族性腫瘍」といって、がんに罹った人が多くいる家族のことを言います。親から子へ遺伝子の変異が遺伝することで、がんになりやすい人を遺伝性腫瘍症候群と言います。
ただし
若くしてがんになる
複数回がんになる
家系内に特定のがんが多く発生している
に当てはまる方は「遺伝性腫瘍症候群」というがん抑制遺伝子の生まれつきの異常が考えられます。
ハリウッド女優アンジェリーナ・ジョリーは、親族にがん患者が多く、遺伝性の家系であることが分かり、乳房、卵巣、卵管の予防的切除を行いました。
今からできる5つのがん予防
禁煙
食生活の見直し
適正体重の維持
運動
節酒
がんは昔に比べ、私たちにとって身近な病気になりましたが、早期発見、早期治療であれば完治も可能です。しかし、第一は「がんにならない!」です。生活習慣の見直しやワクチンの接種、そして積極的な検診でがんのリスクを減らす生活を心掛けましょう。
日 時 :2019年5月15日(水)11:00~12:30
講 師 :山田 亮 先生(久留米大学先端癌治療研究センター所長・教授)
参 加 費 :1,500円(資料、ドリンク、お菓子付き)
会 場 :久留米大学福岡サテライト(福岡市中央区天神1-4-2 エルガーラオフィス6階)
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