2010年10月3日(日)読売新聞で紹介されました!

2010年10月3日(日)読売新聞

2010年10月3日(日)読売新聞

PDF版はこちら

抗がん剤治療の副作用で頭髪の脱毛に悩む女性患者を対象に、かつらを無料でレンタルするサロンが7月、福岡市・天神にオープンした。新品なら1個10万円するかつらを気軽に借りられるとあって、これまでに約50人が利用し、好評を得ている。
※現在、レンタル料は無料ではなく1年間5,500円となっています。詳しくはこちら

女性がん患者、支えるかつら

サロンを運営するのは、女性がん患者の闘病を支援するボランティア団体「ウィッグリング・ジャパン」(同市)。市内で映像制作などの会社を経営する上田あい子さん(36)が代表を務める。

知人が乳がんになり、闘病中、かつらをつけて元気を取り戻していく姿を見たのがきっかけだった。「女性の命ともいえる髪が抜けるのは、精神的な負担が大きい。ウィッグ(かつら)のリング(輪)で、笑顔と希望を届けたい」と上田さんは話す。

医療機関などを通じて元患者らにかつらの提供を呼びかけたところ、九州を中心に全国各地から約150個が寄せられた。「悩んでいる人に活用してほしい」「かつらで治療期間を楽しんで」といった手紙も添えられていた。

抗がん剤治療は高額の費用がかかるため、かつらは無料で貸すことにした。抜けた髪が再び生えるまで7~8ヶ月かかることから、貸出期間は1年間で、1回は交換できる。

「医師から髪が抜けると言われたので、今のうちにかつらを準備しておきたい」と訪れたパート女性(55)は、乳がんと診断され、放射線治療の後、抗がん剤治療を始めたばかりと言う。スタッフの助言を受けながら、鏡に向かって試着を繰り返した。お気に入りを見つけると「これなら今の髪型のイメージを変えずに過ごせそう。無料なのも助かります」と笑みを浮かべた。

スタッフの満安諏美さん(64)と岡博美さん(49)も、がんを患い、再発や転移に苦しんだ経験を持つ。満安さんは「かつらで前向きに生きてほしい」、岡さんは「一緒にがんを乗り越えましょう」と呼びかける。

サロンは予約制。かつらの提供を随時受け付けるほか、活動に賛同する賛助会員を募っている。今後、患者同士の交流会や医療セミナーの開催なども予定している。問い合わせは、ウィッグリング・ジャパン事務局(092-725-6623)へ。


〜柏木征三郎・国立病院機構九州医療センター名誉院長の話〜
「抗がん剤による脱毛は、美容を気にする女性患者にとって大きな問題。患者の苦悩を間近で見て来た医師の立場からも歓迎です。同じような活動が、各地に広がっていくことを期待したい」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. 西日本新聞2月8日月朝刊
  2. がんプラス公式サイト
  3. 「HAPPY-MAMA-CLUB2017年3月号」ハッピーママくらぶ

最近の記事