ノーベル賞を受賞した新たながん治療法
私たちの持つ免疫系細胞は、ウィルスや病原微生物などから身体を守るために、体内で常に準備をしていますが、免疫系細胞が活発になりすぎると自らの身
体を攻撃しかねません。
自らを攻撃しないためにもこの免疫系細胞にブレーキをかけるメカニズムが必要です。
2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑博士が発見した「PD-1」はその仕組みの1つです。「PD-1」とは、車に例えるとブレーキにあたります。
こうした免疫系抑制機能を持ったり関わったりする分子を総称して、「免疫チェックポイント分子」と呼びます。
がん細胞に対する攻撃力を回復させる免疫療法
がん細胞の中には、自らを守るために免疫系細胞にブレーキをかける仕組みを悪用しているものがあります。免疫チェックポイント分子を出すと「この細胞は攻撃してはいけない」という情報が免疫系の細胞に伝わってしまい、リンパ球はがん細胞を攻撃できなくなってしまいます。
このブレーキを解除して、免疫の攻撃力を回復させる治療が、「免疫チェックポイント阻害療法」なのです。ただし、治療対象はすべてのがんではありません。
また、ステージ3以降の進行がん患者で効果があるのは3割前後です。更に、治療費が高額で、重篤な副作用を伴う事もある治療のため、注意深く様子を見る必要があります。
参加者の感想
●免疫チェックポイント阻害療法について初めて知った。より多くの患者に効果が出るようになってほしい。
●難しい話をやさしく教えてもらえてよかった。
●様々な治療法の研究が進んでいますね。がんで苦しむことが少しでも減ることを期待しています。
日 時 :2018年12月17日(月)15:30~17:00
講 師 :山田 亮先生(久留米大学先端癌治療研究センター所長・教授)
参 加 費 :1500円(資料、ドリンク、お菓子付き)
会 場 :千鳥屋本家福岡本店(福岡中央区天神2-8-124新天町北通り)